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シアトル碁センター売却計画に関する声明書     2012年5月2日

(Japanese translation of previous post)

ニューヨーク碁センター

 

ニューヨーク州法人である日本棋院アメリカ及びニューヨーク碁

センター(現在閉鎖中)はシアトル碁センターが継続して活動する事を支持致します.シアトル碁センターはその創設以来、地域の

あらゆる文化的背景の碁打ちが集まる中心となり、その地域の碁の

コミュニティーから幅広い支持を集め続けて参りました.

その意味で、シアトル碁センターは岩本薫先生の基金で建てられた海外の四つの碁センターの中では最も成功しているセンターです。

 

ニューヨーク碁センター理事会は日本棋院がシアトル碁センターを

閉鎖する事を日本棋院から相談も受けてはおりませんし、その旨の報告を受けた事もありません。 私達はニューヨーク碁センターの資金的な援助の為に、シアトル碁センターを売るなどと提案した事は全くありません。 日本棋院がニューヨーク碁センターの再建を

配慮して下さる事には感謝致しますが、シアトル碁センターの犠牲のもとにそれが行われる事には強く反対するものであります。

 

シアトル碁センター、ニューヨーク碁センター双方共に岩本先生の

ご厚意溢れるご寄付により購入出来た建物と地元の碁打ちの皆さまの支持により、資金的に自立して行く事が可能です. どちらか一方を犠牲にする必要はありません。 シアトル碁センターはその活動を継続し、ニューヨーク碁センターは再開発され、ニューヨークにあって、その国際的に多様な囲碁のコミュニティーに奉仕して行くべきと考えます. ニューヨーク碁センターは正しく経営され、維持されれば、必ずや利益を上げて行くセンターになって行くと

確信致します.

 

日本棋院はこれまで数十年に亘って海外に囲碁の支部会を作り、世界アマ選手権や国際囲碁連盟を創立し育て上げ、海外の囲碁の教師を日本に招待して評価し、世界に何百と言うプロの棋士達を送り出すなど、その他数々の業績を持って世界の囲碁の為に惜しみない貢献をして参りました. 私達は日本棋院のこうした貢献を大きく評価し、深遠なる感謝を捧げるものです、そして、私達が今日本の囲碁の世界と友情で結ばれている事に大きな意義を見いだしているものです. 私達は日本棋院が米国の碁センターとの関係を再評価して下さる事を希望するものです. そして、岩本先生のヴィジョンを行動に移して何年もの長い間ボランティアーをして来た人たちの意見も聞かずに一方的な決定をされる事は、日本の囲碁界とアメリカの碁コミュニティーの関係に大きな傷をつけてしまうと言う事を認識される事を願っております.お互いに協力し合い、共同意識を持って進んで行けば、こうした事は全て回避出来ましょう.

 

私達は、岩本先生が米国に下さった寛大なる基金を、そのご趣旨に沿って最大に生かす為にも、全米囲碁協会、シアトル碁センター、そしてニューヨーク碁センターと日本棋院の間でお互いに納得出来る協定を結ぶべく交渉する事が現在求められているものと確信致します.